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人生を楽しむために必要なもの~高齢者歯科~
「Quality of Life(QOL)」という言葉をご存じでしょうか。
この言葉は「生活の質」などと訳され、物理的な豊かさだけでなく、精神面を含む生活全体の豊かさをあらわしています。
私たち人間は、歯を失っても流動食などによって栄養を摂取し、生命を維持することができるかもしれません。
しかしその状態で、質の高い人生を送っているといえるでしょうか。
近年の高齢者福祉では、このQOLの重要性に目が向けられるようになりました。
おいしいものをしっかりと咬んで食べ、人と交流し、生活を楽しむために歯の果たす役割は重要です。
入れ歯に力を入れている久留米の歯医者「石川歯科医院」では、訪問診療などの高齢者歯科医療の提供を通して、患者様のQOL向上を目指しています。
高齢者の口内の特徴
年齢を重ねた高齢者には、若い世代にはないさまざまな特徴があります。高齢者歯科ではこれらの特徴をしっかりと把握し、患者様一人ひとりに合ったケアを提供していくことが大切です。
治療後の歯や入れ歯が多い
高齢になると、どうしても治療後の詰めものや被せものを装着した歯が多くなります。
また、虫歯や歯周病、事故などで歯を失う割合が増えるため、
入れ歯を使用する人が多くみられます。
だ液の分泌量が少ない
高齢者はだ液の分泌量が減少しやすく、内服薬の副作用でさらにだ液が少なくなる人も多くいます。
口内が乾燥しやすくなり、食べものを咬んだり飲み込んだり、発声したりする動作が難しくなり、乾燥によって入れ歯に痛みを感じる人もいます。
自浄作用が働きにくい
だ液にはお口の汚れや細菌を洗い流す作用がありますが、高齢になるとただでさえだ液の分泌量自体が減るうえに運動障害やまひが出る人が増え、だ液の分泌がうながしにくくなるため自浄作用が働きにくくなります。
虫歯や粘膜疾患が多い
高齢者は歯ぐきが下がって露出した歯の根の部分や、詰めものや被せものと自分の歯のすき間など、特定の部位に虫歯ができやすい傾向があります。
また、自浄作用が低下しているため、お口の中の粘膜に口内炎や義歯性腫瘍といった粘膜疾患ができやすくなります。
食べかすが残りやすい
高齢になるときざみ食やとろみをつけた食事を摂る方が多く、歯と歯のすき間や歯と歯ぐきのすき間に、食べかすが残りやすくなります。だ液の分泌量も減るので、口内が乾燥しやすく、自浄作用が働きにくいことも食べかすが残りやすくなる原因のひとつです。
食べかすが残って口内の衛生状態が悪化することで、虫歯や歯周病の発症・進行リスクも増加します。
口腔機能と健康との関係
高齢になると上記のように口腔機能が低下するため、食べものの種類が制限され、栄養が偏ったりエネルギーが不足したりしがちです。そうなると筋力や免疫力の低下を招くので、肺炎などの感染症がもとで寝たきりになる方も珍しくありません。
人と人との関係の中でも、
口腔機能は大切な役割を果たします。
誰かとともに食事や会話を楽しむためには、健康な口内環境を維持していかなくてはなりません。
充実した人間関係は人生をも豊かにしてくれますが、食事や会話が難しくなると、人づき合いが負担となって外出を避けるようになります。
刺激の少ない生活は体力と脳の認知機能を奪い、寝たきりや認知症を招く可能性があります。
高齢者が健康で精神的にも豊かな生活を送るためには、口腔機能の維持が非常に重要です。